今年度を振り返って

平成29年10月

会長 長葭常紀

 日増しに寒くなり、秋の深まりを感じる季節となりましたが、会員の皆様お健やかにお過ごしのことと存じます。

昨年7月に神奈川県の障がい者支援施設「津久井やまゆり園」で発生した元職員による入所者殺傷事件は、今もって怒り、悔しさ、悲しみがこみ上げてきます。決して忘れることはできません。

 先ごろ八幡平市安比高原で育成会県大会が開催され、式典の中で障がいのある本人による「本人大会決議」がなされました。その序文には、「生きていい命と生きてはいけない命の区別などありません。二度とこのような事がおきないように、すべての人達が私たちひとりひとりを認め、生きやすい社会にしてほしい。」と書かれていて、それが高々と読み上げられました。本当にその通りです。

 その後、全国手をつなぐ育成会連合会の久保厚子会長が講演されました。やはり初めにこの事件を話され、事件発生後に全国育成会会長名でいち早く障がいのある皆さんへ向けて発信した文章―「津久井やまゆり園の事件について」で始まり最後に、『もし誰かが「障害者はいなくなればいい」なんて言っても、私たちは全力でみなさんのことを守ります。ですから、安心して、堂々と生きてください。』―に対して、「救われました」「何度も読み返し、涙があふれてくる。ありがとう。」「勇気をもらった。」などの多くの声が寄せられた一方、犯人に同調したり心無い言葉も寄せられたという現実があることを聞かされました。

 障害者虐待防止法や障害者差別解消法が整備されても、社会の中で障がい者に対する正しい理解の普及啓発が進まければ共に支え合う共生社会の実現はできないと思います。

 時間はかかっても、一人ひとりの声は小さいかもしれませんが、それを推し進めていく役目を育成会は担っていると思っております。