設立60周年に寄せて

                   岩手県知事  達増 拓也

 このたび、盛岡市手をつなぐ育成会が設立60周年を迎えられましたことを、心からお祝い申し上げます。

 盛岡市手をつなぐ育成会におかれましては、昭和29年に設立されて以来、半世紀以上にわたり障がいのある人もない人も一人の人間として尊重され、当たり前に暮らすことのできる社会の実現に向けて、様々な活動に取り組んでこられました。長年にわたる関係者の皆様の御尽力と御努力に対しまして、心から敬意を表する次第です。

 御承知のとおり、障がい者への支援は、自己決定・自己選択の理念のもと、措置制度から契約制度に転換し、サービス提供の仕組みが身体・知的・精神の三障がいで一元化されるなど、大きく変遷しています。また、平成25年6月には、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目的として、障害者差別解消法が制定されています。

 岩手県におきましては、平成22年12月に制定された「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」や、平成23年2月に策定した「岩手県障がい者プラン」に基づき、障がいの有無に関わらず、それぞれの力をいかし、共に助け合いながら、いきいきと暮らしていける「共に生きるいわて」の実現に向けて、障がい者の権利擁護や、サービス提供体制の整備、多様な就労や社会参加の機会の確保など、様々な施策を進めております。

 こうした中、盛岡市手をつなぐ育成会におかれましては、講演会や研修会の開催、機関誌「さわらび」の発行を通じた情報発信、障がいに対する理解・啓発活動のための出前講座や会員に対する相談支援といった多様な活動に取り組まれております。この度の60周年を契機として、活動の更なる充実が図られますよう、御期待申し上げます。

 結びに、盛岡市手をつなぐ育成会のますますの御発展と関係者の皆様の御健勝をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。